フーテン・プロモーション/2009.04.26/神奈川・ラゾーナ川崎・プラザソル⑤

フーテン・プロモーション/2009.04.26/神奈川・ラゾーナ川崎・プラザソル⑤

◎第5試合　30分1本勝負
　池田大輔＆小野武志vsスルガマナブ＆大場貴弘
　○池田大輔(28分37秒　腕ひしぎ逆十字固め)スルガマナブ●
★メインはフーテン所属四選手による純血タッグ。
ここに少ない所属選手が集中した為,前半戦が外様対決等で“バチバチ観に来た感”が薄かった為,ここで濃いのを魅せて貰わないとと思ったが...。
試合は“これぞバチバチ”とでも言うような最高に濃厚なバチバチタッグとなった。
格闘探偵団バトラーツでの同期であり,初タッグのスルガ＆大場組。彼らをデビューのあたりから観てる者からすれば,今まで組んでなかった両者がここに来て同じ団体に所属し組むって事は結構感慨深いものだた。
試合ではお互いぎこちなさはあるものの,タッグとして程よく機能していました。特に面白かったのは,狙ってか狙ってないかはわからないが,池田選手の嫌な事？を連発してたあたり。
掟破りのデスバレーボムにレッグラリアート(イナズマ無し)。
深い意味があったか？スルガ選手のタイガードライバー’９１ ...精神的揺さぶりはあったんじゃないでしょうか。勿論体のダメージも凄まじいでしょうが。
更に個々の魅力も凄い。
大場選手は相変わらずの“やっちゃう”ワールド全開で客を幸せな気分にさせる。その本気度は凄まじく,セントーンをセントーンと呼べないような角度でぶつけていったり,眉山を決めたり(自分もダメージ有り)凄かったです。
この日がフーテン所属初戦であり,改名第1戦のスルガ選手。ここ最近の調子の良さを持続させ,グイグイとチーム多古に喰らい付く。池田選手と殴りあった場面は,スルガ選手の覚悟と意気込みと想いが伝わって来るようで胸が熱くなった。
対するチーム多古も名タッグっぷり爆発。ダブル・インパクトまで飛び出しちゃうんだからもう最高!! このルールで,ここのリングで飛び出すインパクトはまさにダブル!!
小野選手は懐かしの水色コスチュームで登場。ＴＭになって以来,久々ではなかろうか？池田選手との並びは懐かしくもあり新鮮でもあった。
勿論動きも抜群で,そのスピードや極めの速さは凄かったです。特にスルガ選手との対戦は刺激的で楽しかったです。
池田選手は,若い力にボコボコにされながらも,バチバチジャイアンっぷりを爆発させ逆にボコボコにしまくる。自ら創ったフーテンの四周年だからこそか？年齢を感じさせないハチャメチャ感が素的すぎた。
「死になさい」垂直落下式ブレンバスターやデスバレーボム(未遂)等,惜しげもなく得意技を出しまくる ...いや,出さざるえない状況だったかもしれないが,そんな様がまさにメモリアル!!
試合は両軍入り乱れバチバチ全開ハチャメチャな大人気ない大人達の謝肉祭。全員が全員勝ちを目指し戦う...それも,完全なる勝ちを。
それを象徴するような場面は,スルガ選手が串刺し低空レッグラリアートで池田選手をダウンさせた場面。
連発で喰らった為,完全に機能停止状態の池田選手。ダウンカウントが進みスルガ選手のＫＯ勝ちが見えたが,ここでスルガ選手が無理矢理池田選手を引き起こそうとする ...が,池田選手は力が全く入らず立ち上がれない。そんな状態にスルガ選手が再びレフェリーにダウンカウントを要求する。黙っていればＫＯ勝ちだったのに,何故に？
けど...あくまでも俺の憶測だが,スルガ選手は池田選手に「参った」させたかったのでは。ＫＯやレフェリーストップではなく,対戦相手に敗北を認めさせる関節技による一本勝ちでこそ彼らには価値ある勝ちなのでは？そんな事を考えさせる場面だった。
なもんだからリング上も客席も試合が進むに連れ大爆発!! しかし,残り時間はわずか。
客席の半分位...いやそれ以上は時間切れ引き分けを予感したはず。けど,そうならないのがバチバチの凄い所。
最後の最後まで勝ちに拘り戦う選手達。彼らには一瞬で逆転出来る技術も極める技術も持ち合わせている。どんなに攻められても,最後は関節技で極める...カール・ゴッチ～藤原喜明と受け継がれてきたゴッチイズム。フィニッシュは,まさにゴッチイズムを感じさせるものだった。
スルガ選手が池田選手のパンチを上手く得意技であるカウンター式腕ひしぎ逆十字固めに捕らえる。スルガ選手の勝利が見えた...が,次の瞬間体勢を入れ替え池田選手が逆に, 腕ひしぎ逆十字固めをガッチリ極めるとスルガ選手はたまらずタップアウト。残り時間1分23秒での出来事だった。
「参った」を言わせるべく目の前の勝利を蹴ったスルガ選手が, 逆に「参った」させられる...スルガ選手にとっては皮肉な展開となったが,見てる方からすると鳥肌ものの最後でした。
本当に素晴らしい戦いで,凄く面白かったです。これだからバチバチは見逃せないな。