フーテン・プロモーション/2011.06.19/東京・北千住THEATRE1010・ミニシアター⑤

◎第5試合 プロレスルール 30分1本勝負
 ●池田大輔(16分50秒 グランド・コブラツイスト・ホールド)石川雄規[格闘探偵団バトラーツ]○
★メインは何も言う事が無いほどバチバチな顔合わせ。
赤レンガでのバチバチ旗揚げ戦もこの二人,バチバチファイトと言えばこの二人。 バチバチルールだろうがバトラーツルールだろうがプロレスルールだろうが二人の激突は凄い事になる。 こんな凄い試合が観れる喜びったら,ありゃしない...バチバチ再開を心の底から嬉しく思う。
試合は入場からお互いが,それぞれの世界観を全身から滲み出し会場を包み込んで行く。 バチバチ旗揚げ戦とは,また違った期待感が高まる。
だが6年ぶりの一騎討ちは良くも悪くも変わらない二人による変わらない闘い。 中身は違っても根底にあるものは変わらないのだ。
そしてリアル大人気ない両者の攻防。
“大人気ない”って言葉を売り物にする選手もいるが,そんな事が出来る時点で大人気ないんじゃなくて大人だ。 それすらせずに目の前の相手をいたぶり,嫌がらせる...好きだから苛める子供のように。
本物の大人気無いプロレスラー達は互いに相手の肛門に指を突っ込むプロレスの奥の手を, 奥では無く表で行い,指に噛付き,髪の毛をつかむ。
そして相手の得意技を絶対に食らわない...石川選手のリバース・インディアン・デスロックを池田選手 が死に物狂いで阻止するとかね。 とにかく受けとかプロレスとは?とか低次元では無く,本来プロレスラーが持つべき強さへの渇望 や,相手を倒すといった行為が凄かった。
どんなに時代が変わりプロレスが変わっても,こういった人達がいる事は,俺みたいな古臭く, いつまでも所謂大人の観方が出来ないファンにはとてつもなく嬉しい事だ。
試合は殴り愛や激しい頭突きの応酬...いつ終わるとも解からない二人だけのバチバチが続いていく。
そんな中,石川選手が3カウントルールを使い押さえ込む。 俗に言われるプロレスでの丸め込みでは無く,完全なる押え込みだ。
アマレスの1秒背中につける為の技だが,その1秒が果てしなく遠く難しいのはアマレス経験者なら 誰もが知るところ。 それを3秒押さえ込むってのはハンパの無い事...だからこそプロなんだよね。
石川選手の押え込みはプロがアマの技術を昇華させた凄技。 カウント2.9の攻防をやろうと思っていたら絶対に3カウント入ってしまうような代物。 それを解かってる池田選手は必死の形相で押さえ込みを返した。 これだねえ!!
通常のプロレスでも3カウントが疎かな団体の試合は正直観てて糞つまんねえもん。 3直前に自ら離したり,3でクラッチ離したりね(苦笑)。
話は反れたが,プロならではの押え込み技術のお陰でスリリングで面白かった。 特に1発目は俺の高校生時代のレスリング部のK先輩が良く使っていたミラー・スペシャルと酷似してたから個人的に嬉しかった。
さて押え込み地獄を凌いだ池田選手は猛ラッシュで石川選手を追い込む。 強烈な打撃の連発に,恐ろしい角度でのデスバレーボム。 決して綺麗では無いが,嫌がる相手を強引に叩き付けたのだからアル意味美しいバチバチの美学。
正直,死ぬんじゃないかって感じのデスバレーだったが,石川選手は情念は死なず!!
最後は大ちゃんボンバーをコブラツイストで切り返した石川選手が,そのままグランド・ コブラツイスト・ホールドへ移行し3カウントを取り熱戦を制した。 いやいや,もの凄い試合をまたも目撃してしまった。
6年ぶりの一騎討ちはルールも年齢も変わっていたが,6つ歳を取った二人の対決では無く,6つ分の歳を重ね深化した対決だった。
俺は肉体労働を続けていて,正直あと何年バリバリと若い奴に負けず働けるか考える歳になった。 けど,両者のような凄い大人がいるんだから,俺もまだまだやれるし,頑張ろうって気になった。 プロレスは観て楽しむだけじゃない,人生を学べるんだ。
そういった深い試合をする選手は減って来ているが,少ないながらも残ってる場所があ り,そこに居れる幸せを噛み締めた。 心の底からありがとう!!


池田選手


石川選手


6年ぶりの一騎討ち


試合開始


ローキック炸裂




リバース・インディアン・デスロックは絶対に食らわない!!


目潰し


髪掴み


袈裟固め


鼻つまみ合戦


クロック・ヘッドシザース


三角絞め


スリーパー・ホールド


腕ひしぎ十字固め


アンクル・ホールド


遂にリバース・インディアン・デスロック炸裂ナーシャ!!


弓矢固めは指を噛み脱出


大ちゃんボンバーだって綺麗に決まらない


パンチ


頭突き




肩固め


ストレート・アームバー






頭突き


頭突き


頭突き




必死で返す


押え込む








殴り愛


急角度過ぎるデスバレーボム炸裂


大ちゃんボンバーを切り返し


フィニッシュは,グランド・コブラツイスト・ホールド





BACK