みちのくプロレス/2006.11.3/東京・新宿FACE④



◎第4試合 60分1本勝負
 ●フジタ"Jr"ハヤト(17分29秒 情念スペシャル)石川雄規[格闘探偵団バトラーツ]○
★"新宿大会=ハヤト伝説・序章"って感じが続いてきましたが,今回のハヤト選手の試合はセミ。 しかも相手は大好きな石川選手。...ハヤト選手とBの遭遇を僕は心待ちにしていた。 それが実現した。ここでハヤト選手が何を学び・何を吸収し・何を魅せるか? 多数の選手達が石川選手という大きな核に触れることにより大きく育っていった。 数々の名選手の影にはいつも"石川雄規"という存在に触れた過去がある。 ハヤト選手の今のスタイルを考えても最高の対戦相手であろう。
緊張した面持ちで入場するハヤト選手。一方石川選手はいつもの通り緊張感を漲らせて入場。 会場は「ハヤト」コール一色と思いきや,意外に石川選手の声援が多く飛んだ。
試合は序盤から終盤までほとんどがグランドの攻防だった。 果敢に攻めるハヤト選手だが,石川選手がそれらをことごとく切り返していく。 まさに魔法でもかけられてるかのごとく。 そんな凄い技術に会場からは「お~」と驚嘆の声と拍手が起こる。 みちプロではほとんど聞かれない声だけに,この試合がみちプロマットでいかに異質だったか伺える。 みちプロのお客さんは,このような地味な試合を観に来てるわけではないだろう。 しかしながら会場が自然とリング上の地味な攻防にひきつけられ集中していったのが事実。 つまりリング上の戦いが素晴らしければスタイルに関係なく魅せれるということ。 そんな事も自然とハヤト選手に伝授していく石川選手。
またグランドの攻防の合間にもいわゆるバチバチな攻防も見られた。 ハヤト選手の鋭い蹴りが石川選手を襲う。倒れる石川選手...チャンスなのだ。 しかし,なかなかそこをついていかないハヤト選手。 思わずTOKI兄さんとともに「攻めろ」「そこだよ」と声を出してしまう。 なんとか追撃して石川選手にダメージと"ハヤト"を刻み込む。 しかし,立っても石川選手は強い。蹴られても蹴られても立ってくる。 受けるだけ受けると,蹴り足を軽く掴みグランドに引き込む。
実力差を考えるとしょうがないけど...もっとガンガン攻めれたら。 攻め時を逃さないようなスタミナ配分が出来たら。 攻めていても石川選手から余裕は消えなかった。
...いつも思うが,ハヤト選手に頼もしいセコンドがいたらと。 スタイルに関係なく野橋選手あたりがアドバイスを下から送ってくれたら, もっとハヤト選手も戦いやすかろうに...。 しかし,それもまた試練。 ハヤト選手は普通の選手が何年もかけて成長するところを, 短い時間で成長することを宿命付けられた選手。 それに応えようと「良い試合...良い試合」と健気に戦う。 そんなハヤト選手に段々と心が惹かれている自分がいる。 しかし,ここで全てを認めてはいけない。だから見ているこっちも高望みをしてしまう。 「ハヤトだったらもっとできるはず...」 そんな事を今回も思った。我武者羅さはあまり感じなかったが,動きの一個一個に気持ちを感じた。 確実に"うちのエース"は育っている。 しかし,あと一個...あと一歩...負けん気が見たい。本当のハヤト選手の素の感情を。
勝ちたかったらもっと相手を倒しにいかなくちゃ。 相手の方がグランドの実力が上なのだから,技に入る前に一発が欲しかった。 逆片エビ固めを狙った時に石川選手の顔面を踏みつけた...それがもっと見たいのだ。 膝裏十字固めをかけて逃げられそうになったら,相手の背中を蹴ればいい。 腕ひしぎを狙ってクラッチが切れないなら,相手の顔面に踵を落としてやればいい。 せっかくバチバチの神とさしで戦えるのだから。 どうしてもそこらへんを澤選手と比べてしまう僕も悪いのだが...。 でもね...ハヤト選手にだって出来るはず。 だから見方が厳しくなってしまう。
試合は終盤スタミナが切れて来たハヤト選手。 散々"ハヤト"を楽しんだ石川選手がそこの隙を逃さなかった。 スピードの鈍った蹴りをキャッチし折り,最近良く使う脚折り式ジャーマンでぶん投げる。 さらに延髄斬り2連発で事実上のKO。が,ルールはプロレスルール。 KOしたハヤト選手を石川選手がアマレスの腕取り式のフォール技で押さえ込む。 情念スペシャルと名づけられた,アマレスでは日常的に見られる技でハヤト選手は3カウントを聞いた。 アマレスの基本技でも,KOしてかけたり"ここぞ"という時に繰り出せばプロの技になる ...流石石川選手です。 フィニッシュの技について考えても,何時間でも楽しめる戦いをしやがるせコンチクチョー!!
試合は17分を超える試合だった。けれどそんなにやってるなんて思わなかった。 地味な攻防で完全にやられました。 グランド中心の攻防ながらも両者ひっきりなしに動いてたのだからとんでもないスタミナ戦だったのです。 あ~やっぱ情念はスゲエなあ。そしてセミながらセミじゃなかった。 セミだけどメインの試合だった。メインのような試合だった。 やはり石川選手は日本屈指のメインイベンターだからかな。 石川選手は団体や会場の大小はあれど,ずっとメインをしめて来た男ですから。 そこからもメインイベンターとは?という事が学べたんじゃないでしょうかね。 ハヤト選手だけじゃなく,他の選手も観て学んでいてくれたら最高だな。
やはり石川選手は凄かった。しかし喰らいついていったハヤト選手も素晴らしかった。 ただ今回は完全に情念の掌の上で躍らせられたいた。 結果的に良い試合でした。が,ハヤト選手ならもっと出来るはず。 だから今回も渋い顔をした。
試合後は石川選手が一言「俺が保障するよ...お前の方が柴田より素晴らしいよ...絶対勝って来い!!」 と...自分の団体でもないのに"勝って来い"と言った。 それはきっと"柴田選手に勝ってうちのリングに上がってもう一度俺と戦おうじゃないか" って事だと思います。 さあ!まだまだ試練は続くよ!!それらを乗り越え漢になるのだ!!ナーシャ!!


"燃える情念"石川雄規選手登場


久々のみちプロマット


試合開始


上から押さえていく


ヘッドロック





ネックロック





蹴り脚をキャッチ


膝十字固め


グランドヘッドロック


ヴォルク・ハン式変形鎌固め


鉄拳制裁


ハイキックを狙う


顔面蹴り


三角絞め


逆片エビ固め


レッグロッグ


羽折り


バチバチ


ヘッドロック


腕ひしぎ逆十字固め


オモプラッタ


全てをぶつけろ!!


追い込め!!





脇固め


チキン・ウィング・フェースロック


膝裏十字固め


K.I.D.


脚折り式ジャーマン


フィニッシュは,情念スペシャル


「柴田に勝って来い!!」

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